第51話 お葬式・西・東 1

博士

こんにちは、博士(ハクシ)ちゃんです

かい

こんにちは、ハクシの夫のカイです

当ブログをご訪問いただき、どうもありがとうございます。
このブログでは、中卒の夫・カイと博士号を持つ妻・ハクシの日常をご紹介しています。
学歴差があっても、とても楽しく暮らしていますよ!

さて、すっかり間が空いてしまいましたが、前回の記事で、カイの父のお葬式について書きました。
今回はその続きです。

かい

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この記事の内容

神道のお葬式

ところで、カイさんの実家の宗教は神道です。
仏様じゃなくて神様の方ですね。

ちなみに私の実家も神道でした。
ということで、私は何度か神道のお葬式を経験したことがあります。


やること自体は仏教のお葬式と大体同じ、、、ような気がします。
神道ではお坊さんではなく神主さんが主祭し、お焼香ではなく玉串奉奠(たまぐしほうてん。皇室の人たちが明治天皇陵参拝時などにされている、榊を捧げる儀式)です。
当然ですが読経もなく、代わりに故人の人生をダイジェストにまとめたものを、神主さんがあの独特の口調で読み上げてくださる。

それから仏教は亡くなった後はお釈迦様に弟子入りするので、そのための「戒名」が必要です。
そしてこれがなかなか高額です。

一方の神道では、死後は全員無条件かつ自動的に神様になるので、戒名ではなく「諡(おくりな)」が付けられます。
これは生前の名前の後に、「大人(うし)」や「翁(おきな)」などをつけ、そのあとに命(みこと)をつけます。
ちょっと分かりにくいのですが、例えば山田太郎さんが亡くなったら、諡は、

山田太郎大人命(やまだたろううしのみこと)



ちなみにこの諡の青の部分は、性別と年齢によって決められていて、例えば71歳以上の男性なら「翁(おきな)」、30代の女性なら「郎女(いらつめ)」。
こんな感じでかなりシステマティックに、自動的に決まるので、仏教の戒名のように別途料金が発生したりはしないのですね。


・・・閑話休題。
ということで、神道のお葬式についてはなんとなく知っていた私は、お義父さんのお葬式においても、それなりにやることは分かっているつもりで、当日を迎えました。

が、これまた家族葬なのに沢山人が来たのと同じで、結果的には私が事前に思っていたのとは大分違っていたのです。
そしてこれは推測ですが、もしかしたら宗教どうこうではなく、地域性のようなものが関係しているのではないかと思います。

斎場での過ごし方【関東?編】

さて、これまでに私が経験していたお葬式とお義父さんのお葬式とで、色々と違いはあったのですが、一番驚いたのは斎場での過ごし方です。

私の生まれ育った地域(関東地方)では、斎場で火葬している1時間半くらいの間に、神主さんや参列して下さった方達に精進料理を振舞うのが一般的です。
斎場にはそれ専用の部屋もあり、予めいくつかの食事のコースが用意されていて、お酒なども出せるようになっています。
私がかつて参列した葬儀では、全部がこのスタイルだったので、私は火葬中は食事をするものだと思い込んでいました。
結婚式のお食事のように、お葬式のお振舞いと言えばこの精進料理しかないので、むしろこれがお葬式のメインイベントだとすら思っていたのです。

だからお義父さんのお葬式でも、

博士

精進料理のコース決めないと

と思っていたのに、誰もその話をしないのですよね。

痺れを切らしてカイさんに

博士

斎場のお料理、どうするの?
何人分でどれ頼むの?

と聞いたところ、

かい

????
さあ???


という感じだったので、よくよく考えたら何かが噛み合っていなかったのですが、カイさんは普段から割とこんな感じなので、

博士

あ、カイさんなんだか分かってないっぽいな。
ま、いいか
きっと他の人が決めているのだろう

と済ませてしまいました。

謎のお菓子

ところで、実は葬儀の前から、少し不思議に思っていたことがありました。
みんな葬儀の準備で慌ただしくしている中、キッチンの一角に、少しずつお菓子とお茶の道具が準備されていくのです。
少し時間が経ってしまったので記憶が曖昧ですが、ハッピーターンみたいな、個包装されている普通のよくあるお菓子だったと思います。
お茶は、急須、ポット、お茶の葉、インスタントコーヒーなどが用意されていたような気がする。
以下、便宜上これらをお菓子セットと言います。


お菓子セットはカイさんの妹のエムちゃんが中心になって準備していたように記憶していますが、親戚のおばさんなどが来ると、

エムちゃん、お菓子準備したん?


なんかこんな風に、割と多くの人がわざわざ確認しているのですよ。
親戚の中にはわざわざお菓子を持ってきてくれる人や、ポットを持ってきてくれる人までいました。
その度にエムちゃんは

エムちゃん

ありがとー、とても助かるわー

という感じで、とてもありがたがっていました。



これら一連の現象について私は、ほんの少しだけ

博士

これはなんなんだろう?

と思いましたが、何せとにかく忙しいさなかの出来事だったので、何かのお振舞い用だと思い、あまり気に留めていませんでした。

斎場にて

さて、葬儀の後のことです。
以前の記事にも書いたように、お葬式自体はカイさんの実家でやりましたが、その後火葬のために車で斎場に移動することになりました。

で、この場面になって、誰が言うともなしに例の謎のお菓子セットを車に運び込んだのです!!
この頃になると、お菓子もお茶の道具もそれなりの量になっていたので、何人かで運んでいました。

そかもその時の様子が、なんというかこのお菓子セットを、とても貴重で大切なものとして扱っているといった風情だったので、私の謎はさらに深まりました。

博士

え、それ使うの、まさかの今、、、、!?


という驚きと、

博士

お菓子セット、何かとても大切なものだったんだ、、、、、


という驚きを感じたことを覚えています。
異文化を参与観察した時のレヴィ=ストロースは、きっとこんな感じの驚きに満ちていたではないか、と思いました。


そんなこんなで斎場に着きましたが、ここからのプロトコルが私が知っていたものとは全く違っていたのです。

まず、斎場に着いたら男性だけ呼ばれて、お義父さんの棺を車から炉のあるところに運びました。
私は斎場で遺族が棺を運ぶのを見たことがなかったので、これにも結構驚愕しました。

火葬が終わるのを待つ間、私たちはそこそこ広い部屋に案内されました。
そこは公民館のような雰囲気で、こざっぱりした清潔な明るい部屋でした。
その部屋には大きなテーブルと椅子が何脚かありました。

で、ここで例のお菓子セットが登場したのです。

また誰ともなしにお菓子をテーブルに並べ、めいめいにお茶やコーヒーを入れ、そして談笑し始めたのです。


この時は私は、この空間とこの時間はなんだろう?と思いつつも、

博士

きっと精進料理の準備ができるまで、待機している控え室なのだろう

と思っていました。

★★★ つづく★★★

博士

長くなったので、次回に続きます

かい

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
また遊びに来てくださると、嬉しいです

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