第53話 市役所にて

博士

こんにちは、博士(ハクシ)ちゃんです

かい

こんにちは、ハクシの夫のカイです

当ブログをご訪問いただき、どうもありがとうございます。
このブログでは、中卒の夫・カイと博士号を持つ妻・ハクシの日常をご紹介しています。
学歴差があっても、とても楽しく暮らしていますよ!

さて、ここまで夫・カイの父とのお別れについて書いてきました。
今回もその続きです。

かい

ここまでの関連記事は下記のリンクからどうぞ!

この記事の内容

死後の手続き

さて、お葬式が終わると、カイの実家に泊まっていた親類達もみんな帰って行き、カイ、エムちゃん(カイの妹)、私の3人だけが残りました。


お葬式の喧騒が終わったところで一休みしたい気もしましたが、ここからはお義父さんが亡くなったことに関連して、膨大な事務手続きをしないといけません。


ちなみに、実際にどんなことをやるのかと言えば、

・役所関係
・相続関係
・クレジットカードやスマホなどの解約
・生命保険の請求
・家の片付け
・その他、いろいろ

こんな感じです。


このうち役所関係や相続関係の手続きの中には、実際にそこに行かないと出来ないものや、遠方からでもできるけどかなり時間や手間がかかるものなどがありました。

誰かが実家の近くに住んでいればスムーズなのですが、この時はカイと私は東京に住んでいて、エムちゃんは広島で一人暮らしをしていました。
みんな山口県からはそれなりに遠方に住んでいたのですね。

エムちゃんは広島なので、私たちよりは近いけど、それでも新幹線に乗らないと来られないので、頻繁に通うのは厳しい。

ということで、全員1週間休みを取り、その間にある程度片付けることに。

そして完遂出来なかったことに関しては、エムちゃんが週末広島から来てやるということになりました。

こんな本があるんですね。あの時知っていたら、楽だっただろう、、、、。
↓↓↓

戸籍を辿って

という訳で、タイムリミットが1週間しかないので、実家にいる時にしか出来ないことや、兄妹が揃っている時じゃないと出来ないことなどを優先して手続きを始めました。

そんなある日のこと。

銀行から、

遺産相続のために、お義父さんの生前の戸籍を全部集めて来てください

と言われました。

亡くなった人の銀行口座は、亡くなったことを銀行に伝えるとすぐに凍結されるのですが、一度凍結された口座は、相続人全員の署名がないと解約出来ない=相続できないのですね。
故人の生前の戸籍が必要なのは、相続人が誰なのかを示すためなのだそうです。

この時点で分かっていたお義父さんの遺産相続人は

・カイ(お義父さんからすると息子)
・エムちゃん(お義父さんからすると娘)
・おばあちゃん(お義父からすると母親)

これだけ。

お義父さんの配偶者、すなわちカイとエムちゃんの母は、比較的若いうちに亡くなったので、相続人はこの3人だけでした。

まぁ無いとは思いますけど、もしかしたらお義父さんに隠し子がいる、、、、なんてこともゼロとは言い切れないので、念のため戸籍を全部持って来てください

と、銀行の方は冗談混じりに言っていましたが、実際に亡くなってから調べたら隠し子がいた、、、という話も時々聞くので、必要な手続きなのでしょう。

(とは言え予め言ってしまいますが、お義父さんに隠し子などは一切いなかったので、ご安心ください。)


ところで、この生前の戸籍を全部集めるには、これまでに本籍を置いていたことのある全ての市町村の役所に行って(または郵送で)、戸籍のコピーを貰います。

ちなみに結婚などで本籍地は変わるので、自分の結婚はもちろんのこと、親が離婚や再婚などをしていると、その度に変わっています。

お義父さんの戸籍は、まずは生前最後に住んでいた市の役所で発行して貰いました。
そしてこの戸籍に以前の本籍地も記載させれているので、次にその『以前の本籍地』だった場所の市役所に行き、また戸籍を発行して貰い、再びそこに記載されている以前の本籍地を見て、、、という風に辿って行きました。

なんというか、お義父さんの人生をどんどん逆行しながら辿っていく感じですね。

ちなみにこれ、もしも生まれてからずーっと同じ市町村に本籍地がある場合は、1つの役所で完結します。

お義父さんの場合は、自身の結婚で本籍地の市町村が変わっていたり、子供の頃に親の転居でまた市町村を跨いで本籍地が変わっていたり、ということがあって、いくつかの役所に行く必要がありました。

そうやって辿っていくと、生まれた時に本籍地があったのは、萩市でした。

萩市。
萩焼や吉田松陰で有名な、あの萩市です。

↑萩焼はどれも夢かわいくて、時代の最先端ですね

カイさん達の実家からは、車で1時間くらいです。
この日はすでにお義父さんの戸籍を追って、あちこちの役所を回ったせいで、この時点で確か3時半くらいだったと思います。

いくら山口県のバイパスが整備されているとはいえ、萩市役所は17時には閉まってしまうので、今から萩に行って間に合うのか、、、、

博士

今日はもう遅いし、明日にしようよ

エムちゃん

いや、今日行くけ

かい

えー、行くの?
間に合わないんじゃない?

エムちゃん

いや、今日行くけ


運転手・エムちゃんの鶴の一声で、時間がなかったけどこの日のうちに萩まで行くことになりました。

市役所での出来事

山口県名物・山の中を縦横無尽に駆け抜けるバイパスのお陰で、萩市の市役所にはなんとかギリギリ営業時間内に到着することができました。
確か、17時までのところを、16時45分くらいに着いた記憶があります。
やはり何十人も総理大臣を輩出している県は、インフラが違いますね。
田中角栄1人の力でも新潟に上越新幹線が通ったくらいだもの、山口のインフラ力はそれの何十倍ですよ。

市役所の窓口で用件を伝えると係の人(若い女性でした)が出てきて曰く、

あー、戸籍探すのは時間かかるので、、、
もしも営業時間内に探せなかったら、また後日来ていただくことになりますけども、どうします?

エムちゃん

その場合はそれで良いので、どうか1つお願いします


で、3人で待つこと10分ほど。
予想よりも早く、係の人が戸籍のコピーを持って来てくださいました。

エムちゃん

あ、ありましたか!?

ありましたー。
えーと、これですね、、、


と、その人は戸籍のコピーを指しながら、説明を始めたのですが、

ええー、ここを見ると、、、、ああ、ここで、お父様は、生まれちゃったんですね

博士

え?は??


は?と思いました。

博士

この人、今、「生まれちゃった」って言った!?!?!?

最初は聞き間違えかと思いました。
そりゃ思うでしょ。
まさか市役所に人が、そんなことを言うはずがないと。

カイさんとエムちゃんを見ると、2人とも何事もないかのように、ふんふんと話を聞いていました。

博士

ああ、やはり私の聞き間違いだったのね


と安心したのも束の間、その女性は再び

と、いうことで、お父様はこちらで生まれちゃったんですねー

と、今度は確実に言いましたし、もう聞き間違いではない、確実に言いやがりましたよ!!!
さすがに私は怒り心頭になって、何か言おうかと思いましたが、カイさんとエムちゃんは相変わらずふんふん言いながら聞いています。

まあ遺産相続に関しては私は脇役だし、2人が気にしてないなら事を荒立てても仕方ないので、怒りを我慢しました。
でもあまりの失礼な言い草に、ムカムカしながら市役所を出ました。

失言の真相

役所を出ると、外はもうとっぷり日が暮れていました。
私はそこで初めて萩の街並みをしみじみ見ました。
夜の闇と夕日に沈むように佇む古い街並みは、とても綺麗でした。

萩の町並み
特徴的な赤い瓦は、島根産の石州瓦です

こんなに美しい町なのに、なんてムカつく市役所なんだ。
おかげで萩市が大嫌いになったよ。

車に乗った途端に私の怒りは爆発し、2人に訴えましたよ。

博士

ちょっとさっきの人さぁ、お義父さんのこと生まれちゃったって言ったよねぇ!?
何あれ、生まれちゃ悪いんかい💢

かい

ああ

エムちゃん

ああ

かい

あれは、敬語です

エムちゃん

あれは、敬語じゃけ

博士

へ?

エムちゃん

動詞の後に、ちゃったって付けるのは、敬語じゃけ

なんと、敬語!!!


なんとびっくり山口弁。
「ちゃった」って言うのは、期待外れのことが起きた時の助動詞(なのか?)「しまった」ではなく、敬語表現だったんですね、、、、。

あの時、市役所の人に抗議しなくて良かった、と思いました。

無事に戸籍も集まったので、帰りにみんなでご飯を食べました。

地元の幸がたくさん
お刺身の醬油が甘くてびっくり

もう暗かったけど、エムちゃんが松下村塾にも寄ってくれました。

松下村塾
ここから日本の近代化が始まったんですねー

★★★  おわり ★★★

博士

今回は、このブログにしては珍しく長くなってしまいました

かい

また遊びに来ていただけると嬉しいです

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