
こんにちは、博士(ハクシ)ちゃんです



こんにちは、ハクシの夫のカイです
当ブログをご訪問いただき、どうもありがとうございます。
このブログでは、中卒の夫・カイと博士号を持つ妻・ハクシの日常をご紹介しています。
学歴差があっても、とても楽しく暮らしていますよ!
さて、前回の記事から関東地方出身の私・ハクシが、夫・カイの郷里山口県でのお葬式を体験し、その違いに驚いた話をしていますが、今回もその続きです。



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いつまでも来ない精進料理
お義父さんの火葬を待つ間、一旦通された小綺麗なお部屋。
そこで私たちはあらかじめ入念に準備したお茶やお菓子を食べながら、しばらく時間を潰してしていました。
そして前回の記事に書いたとおり、私はこの部屋を、精進料理の準備が整うのを待つための待機部屋だと思っていました。
きっとまもなく斎場のスタッフが私たちを呼びにくるのだろう、と思っていたのですね。
だからあまりお菓子を食べないようにしていたのです。
ところが、ですよ。
いくら待ってもスタッフは来ず、食堂に案内されることも精進料理を食べることもありませんでした。
1時間半ほど経った頃、斎場の方がやって来たのですが、それはお料理の準備ができて呼びに来たわけではなく、火葬が終わったので、お骨をお拾うために私たちを呼びに来たのでした。
この辺まで来ると、さすがの私も



おや、、、、?



もしかしてこの地域では、精進料理を食べる風習がないのか、、、?
ということに気づきました。
どうやらこの地域では、火葬中にはみんなでお菓子を食べて待つらしいのですね。
そうだとすると、事前にみんなでとても大切そうにお菓子やお茶を準備していたのも納得しました。
もしかしたら精進料理と同じように、お菓子を食べることが故人のお弔いになるのかも知れません。
あるいは、参列客に対するお振舞いの意味もあるのかも。
帰宅後出てきた精進料理的なもの
ところで、じゃあこの地域ではお葬式において全く精進料理的なものを食べないのかといえば、そんなこともありませんでした。
もちろん私はこの時はそんなことは知りませんでしたが。
斎場から家に帰った時のこと。
私はてっきり、これでお葬式も終わったし、みんな解散するものだろうと思っていました。
が、その場にいた全員が全員、全然帰る気配がありません。
その場には遠方から来ていた親類もいたので、彼らがそのままカイさんの実家に泊まるのは分かるのですが、近くから来ている親類も全く帰らないのです。
ちょっとリラックスした感じで、ワイワイ談笑しているのですね。



もしや、この後何かやるのかな?
何せ斎場で精進料理が出て来なかったくらいなので(しつこいね)、どうやら私が知っているお葬式とは全く違うプロセスで進行していることは、この頃は薄々勘付いていました。
そのうち、インターホンが鳴りました。
確かカイさんかエムちゃんが対応したのですが、その間みなさんは一斉に色めき立って、何やらバタバタし始めたのです!
やって来たのは、お弁当屋さんでした。
お弁当屋さんは我々に、大量の仕出し弁当を持って来てくれたのです!!
ちょうど、こんな感じのやつですね。↓↓↓↓↓↓
↑これはお弁当容器の広告ですが、イメージを掴んでいただけると幸いです。
この時私は結構お腹が空いていました。
何せこの日は朝からお葬式で大忙しでしたし、斎場で精進料理を食べると思い込んでいたので、お菓子もあまり食べなかったのです。
という訳で、この突然届いた仕出し弁当はサプライズのように嬉しかったのですが、



な、なんだこのお弁当は、、、
誰が、いつの間に発注してくれたんだ、、、??
もしかして、お葬式とセットになっているのかな
という具合に、何がなんだか事態を全く飲み込めずにいました。
しかし私以外の人たちは皆、手際良く仕出し弁当を配って席につき、グラスにビールなどを注いで、互いを労ったりしていました。
その様子はまるで、斎場で精進料理を食べている時のようです、、、、。
ここまで来て私はやっと



もしやこれがこの地域の精進料理なのでは!!!
ということに気が付きました。
謎の用語「オリ」
まさかの精進料理を家で、しかも仕出し弁当で食べるとは思いもよりませんでしたが、でも考えてみれば結構便利なのかも知れません。
その時食べたくなくても持ち帰れますし、なんならその日来られなかった家族の分まで貰ったりできますしね。
斎場で食べる精進料理も、最近は仕出し弁当のようなケースに入っていることもありますし。
ちなみに、私がさっぱり事態を把握できていない状態でずっと手伝っていたかというと、そんなはずもなく。
当然何か謎の事態が出てくるたびに、いちいち周りの人たちに聞いていました。
例えば斎場で、



ねぇねぇ、いつ精進料理の部屋に移動するの?
のような。
しかし聞かれた方も、まさか私の脳内にある葬式の手順と、自分たちのそれがそんなに違っているとは思っていないので、私が何を聞いているのかも分からない様子でした。
仕出し弁当が届いた時も、



このお弁当、何?
とエムちゃんに聞いたのですが、エムちゃんの回答はたったの2文字



オリ
これだけ。
カイさんにも聞きましたが、やはり同じように



これはオリですね
これだけ。
いや、私が聞きたいのはそういうことではない。
この弁当の役割というか、意義というか、または出どころなどを聞きたいのであって、この弁当の名称を聞きたい訳ではない。
というかそれ以前に、一体なんなんだ、オリって。
でもそういえば、前日葬儀の準備中に、なんだかやたらと「オリ」という言葉が出て来ていたような・・・。



兄ちゃん、オリいくつ頼む?
とかなんとか、こういうやり取りをしていたのを小耳に挟んではいて、そしてその時も、



オリってなんだろ???
と疑問に思ったのですが、この時はもはやそんな細かいことを気にかけている余裕はなく、流してしまったのですね。
しばらく後に分かったことによると、どうやらオリというのは「折詰弁当」のことらしいです。
折詰のオリですね。
なるほど。
ちなみに、折詰弁当をオリというのが山口の方言なのかどうかは今ひとつわかりません。
単に略しているだけという風にも取れるので、方言とまでは言わないのかも知れません。
でもなんとなく、関東では略するとしてもせいぜい「折詰」とか「仕出し」と言うと思うので、オリと略するのはこの地域(または西日本)特有な気もします。
もしかすると全国区な言い方なのかも知れないけど。
余ったオリを近所の人に配りに行った
・星が綺麗だった、お義父さんが星の観測をするのが趣味だと言っていたことを思い出した
組の人たちのお宅へ
ところで、このオリはなぜか結構な数が余ってしまいました。
ということで、お通夜やお葬式に来てくださった近所の方の家々に配ることになりました。
私の実家もそうですが、地方にはまだ「組」が残っていて、お義父さんのお葬式に来て下さった近所の方々も「組」の人たちでした。
この辺はバブルの時に山を切り開いて作られた新興(?)住宅地で、山の中にその集落がポツンとあるので、余計に住民の繋がりも強いような気がしました。
みんなで管理している湧水のようなものもありますし。
組の方達の家には、カイさん、エムちゃん、私の3人で行きました。
大きな紙袋にたくさんの「オリ」を入れて、一軒一軒回りました。
もうこの辺りになると、そういえば元々この葬儀が「家族葬」であったことなど、誰も覚えていませんでした。
当初は家族葬のつもりであったが、結果家族葬ではなくなった、と言う。
前にも書きましたが、家族葬って実際に実行するのはかなり難しいと思います。
でもたくさんの人たちに一緒に見送っていただけて、とても有り難かったし、結果的にはよかったと思います。
オリを配り終えて家に帰る途中、ふと空を見上げると、ものすごい数の星が、、、、、。
この日は12月で、山の空気はキンと冷えていたので、小さな星までもがビッシリと見渡せました。
そういえば最初に結婚のご挨拶に伺った時に、お義父さんが



この辺は星がよく見えるので、星座盤を持って観測してるんです
と言っていました。
お義父さん、この星を見ていたのか。
今頃は空の上でお義母さんと会って、一緒に星の中をお散歩しているかも知れない、と思いました。
★★★ おわり ★★★



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